コードギアスについて語ったり二次創作したりするブログです。
気まぐれ更新。
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ロロルル~。
R2第1話始まる前の、ロロとルルのイメージです。
もういっそ記憶が戻らないまま楽しく学園生活をしていれば、ぬるま湯のような幸せが続いたのに……!! なんて考えてしまう私はダメな人間です。
R2第1話始まる前の、ロロとルルのイメージです。
もういっそ記憶が戻らないまま楽しく学園生活をしていれば、ぬるま湯のような幸せが続いたのに……!! なんて考えてしまう私はダメな人間です。
撞着
「……ロロ?」
名前を呼ばれて目が覚めた。頬に朝日、そして胸に落ちる彼の影。首筋がすっと冷えて、自分が汗をかいていたことに気がつく。
ここはどこだろう。彼は誰だろう。自分は――誰だろう? 自問してひとつずつ呼び起こす。今の自分の立ち位置を。彼はルルーシュ。そして自分は、彼の偽りの弟。
「おはよう、兄さん」
いつものように、挨拶をした。
彼の元に来てもう五ヶ月が経つ。彼は、植え付けられたロロという偽りの弟に、惜しげもなく愛情を注ぐ。たとえば毎朝こうして起こしに来るように。
最近それが、少し鬱陶しい。
そんなことを考えていると、彼が表情を曇らせる。
「どうした、ロロ。具合でも悪いのか?」
「ううん、何でもない」
そう答えながら、心の中の奇妙なもやが晴れない。偽物の自分を馬鹿みたいに気遣う彼を見ていると、最近こんな変な気分になる。
彼を見ているといらいらする。
彼に優しくされると、居心地が悪い。
だって、自分は毎日彼を殺す夢を見ているのだ。
夜のとばりが降りて、彼と同じ色の瞳に黒を落としていく。それが濁るのがいやで目を閉じれば、足下から夢に落ちていく。
今夜もまた同じ夢。
夢の中で自分は、幼い頃から使っている愛用の銃を構えて、彼の胸元に突きつける。彼の顔は見えない。心臓の位置だけを狙い定めて、ためらうことなく引き金を引く。
その繰り返し。
彼を追いかけて、銃口を押しつける。
何度も、何度も、何度も。
もう何回繰り返しただろう。
何という厭な夢だろう。意味のない、ただの悪夢だ。
そしてまた目の前に彼が立っている。
今ならやめられるかもしれない。そう考えながら銃を構えて、気がついた。
自分は、彼にこうしたいのだ。
引き金を引く指先に響く、彼の肉体の感触。その胸から滴り落ちる深紅の雫が、自分の脚に落ちて、絡む。まるでゆっくりと遅れていく彼の鼓動まで伝わるようで。
馬鹿みたいに、気持ちいい。
目が覚める。朝だ。耳元でうるさく鳴る目覚ましを止める。けれど、毎朝起こしに来る彼がいない。ドキリとした。
もしかして、と思う。
違う、あれはただの夢だ。そう自分に言い聞かせながらも、得体の知れない不安に駆られてベッドから飛び起きる。扉のノブに手をかけたところで、前触れもなく扉が開いた。
「ああ、おはよう、ロロ。今日は早いんだな」
そこにはいつもと変わりなく彼が立っていて、普段と同じ優しい表情で笑っていた。思わず力が抜ける。
「ロロ? どうしたんだ、何があった?」
彼が驚いた顔をして眦に触れてくる。指先が、雫を拭う。自分は涙を流しているのだ。でも、どうして。
「何か辛いことでもあったのか?」
彼が尋ねる。その問いに、条件反射のように首を振った。
「ううん、違う。違うんだ……何でもない」
彼がまだ生きていたこと。
昨日と同じ笑顔を向けてくれること。
そんな、何でもないこと。
なのにどうしてだろう。
たぶん自分は、それがひどく、嬉しいのだ。
心の奥で彼を殺すことを夢見ながら、
まだ彼に生きて欲しいと思っている。
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